時宗宗祖一遍上人 ~誕生~

一遍上人は、延応元年(1239)に伊予国(現、愛媛県)に勢力を誇った河野家こうのけ(別府家)に誕生します。河野家は、瀬戸内海一体を支配していた水軍でしたが、源平の合戦では源氏に御方し功績を挙げましたが、承久の乱(1221)では上皇側に御方し敗北したため、一族は離散没落していました。そのようななか一遍上人は、10歳で母と死別し、父である河野通広(法名を如仏)の勧めもあり出家しました。出家した一遍上人は、浄土宗西山せいざん義祖證空上人(1177-1247)門下で、太宰府にいた聖達しょうだつ上人(生没不詳)に入門しました。すぐに肥前国にいた同じく證空上人門下の華台けだい上人(生没不詳)のもとで浄土教の基礎を1年ほど学び、再び聖達上人のもとに戻り弘長3年(1263)まで学びました。